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DTMFを使った箱罠遠隔トリガーの製作

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箱罠遠隔操作トリガーとは 何ができるのか

狩猟者の中にはトレイルカメラを使用している方も多いと思います。現場で収録された映像を再生していてこんなことを思ったことはありませんか?

「お、イノシシが2頭来てるぞ。1頭入った、でも扉の近くにもう1頭いる。あ、扉の近くにいたイノシシも入った。2頭とも奥まで入った。ヨシッ今だ!、今扉が落ちれば2頭捕獲できるっ!!」
と思っても録画映像なんですよね。それに現場(箱罠)から離れた、例えば自宅からトリガーを作動させるなんてできません。

そんな時この記事で紹介する機器を製作すれば、自宅など、現場から離れた場所で箱罠に集まるイノシシの映像をスマホで見ながら、スマホからの遠隔操作でベストタイミングで扉を落とすことができます。
こういう商品はすでにありますが、高価で手が出ませんね。
でもネットワークカメラとDTMFリモコンを使うことで安価に製作できます。

DTMFリモコンとは その仕組み

本記事で紹介する機器では、リモコンにDTMFを使います。DTMFというのは、かつて電話でお馴染みのピッポッパです。
このDTMFリモコンとネットワークカメラを組み合わせれば、山中の箱罠の様子をスマホで見ながら、任意のタイミングで箱罠の扉を落とす、ということができます。

ネットワークカメラというのは、ビデオカメラがインターネット回線とつながっているカメラです。カメラからの映像をスマホで見ることができます。
ネットワークカメラには、SIMカメラとかLTEネットワークカメラと呼ばれているカメラが必要ですが、これがちょっと高いです。数万円しますね。
もし自宅の近くでWi-Fiが届く範囲に箱罠を設置するのであれば、5,000円前後の安価なカメラが使えます。
このネットワークカメラというのは、映像だけでなく現場の音声を聞くこともできます、逆にスマホからカメラ側へ音声を送ることもできます。スマホから音声が送れるので、音声にリモコン信号を載せてカメラ側に送れば、リモコン操作で扉を落とすことができます。

AmazonでDTMFデコーダーという商品が販売されています。これを使うことで簡単にDTMFリモコンができます。このモジュールは4チャンネル、つまり4つの機器を独立してそれぞれオン・オフができます。

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このモジュールは、遠隔とびら落としに使用する場合は初期設定のままでOKですが、下記の矢印の箇所で設定を変更できます。半田を盛ってつなぐという方法ですが。

初期設定の状態

  • DTMF「1」のトーン   1のリレーがON
  • DTMF「2」のトーン   2のリレーがON
  • DTMF「3」のトーン   3のリレーがON
  • DTMF「4」のトーン   4のリレーがON

それぞれのトーンで受信すると該当するリレーがONになりますが、初期設定では約1秒だけONになります。トーン信号を受けると該当のリレーがONになって、約1秒後にOFFになります。箱罠用のトリガーとしてはちょうど都合がいいです。ソレノイドやモーターで扉を落とす場合、約1秒で十分だからです。
他の用途では、たとえば遠くにある家庭菜園の水やりをやる場合は1秒だけONでは都合が悪いですね。ランドを半田で盛るという方法で、いろいろな設定ができます。トーン信号を受信する度に、リレーのON、OFFを繰り返す、トーンを受信すると30秒間ONになる、というふうに。

全体の概略図です

  • 箱罠の近くにSIMカメラを設置します
  • このSIMカメラの映像は、スマホでどこからでも見ることができます
  • 映像だけではなく、現場(箱罠周辺)の音声を聞くこともできます。
  • SIMカメラの機能として、スマホからの音声をSIMカメラ内蔵のスピーカーから出すことができます
  • スマホからSIMカメラに向けてDTMF(ピッポッパッ)音を送ります。
  • これには別途、DTMF発生器が必要です。(DTMFジェネレーター、DTMFエンコーダーとも言ったりします)
     ※安価な中古スマホにDTMF発生のアプリを入れて使うという方法もあります
  • SIMカメラに内蔵のスピーカーから、スマホから送られてきたDTMF音ピポパ)が出ます。
  • このDTMF音をDTMFデコーダが解析して、該当するリレーをONにします。
  • リレーに接続されたソレノイド(あるいはモーター)が作動して扉が落ちる。

    こういう流れになります        

各モジュールの配線

受信側、つまり箱罠側の配線です。
まずマイクアンプの配線です。カメラから出る音(ピッポッパッ)を、マイクで拾ってDTMFデコーダーに入力します。

SORACOMとは

スマホアプリの設定について

SIMカメラには、それぞれ専用のアプリが付属していると思います。専用アプリでSIMカメラからの映像を見たり、こちらからカメラに向けて音声を送ることができます。
このスマホのアプリの設定ですが、高画質の設定をすると遅延が大きくなります。そのため高画質の場合はスマホで見ている映像は「たった今」の映像ではなく、0.5~1秒、あるいは2秒、それ以上前の過去の映像ということになります。映像が止まることもあります。高画質の動画はデータ量が多いので回線スピードが間に合わないためですね。そのため遅延が多くなり、さらには映像が固まります。

私はSORACOMさんを利用していますが、SORACOM側の設定を回線スピードを「高速」にすれば遅延が短くなりますが、データ量が多くなるため課金も多くなります。このへんは画質をとるか、遅延の少なさを取るかの選択なりますが、狩猟で扉を落とすのではあれば、低画質で低遅延の設定をしたほうがいいと思います。

私はSIMカメラにプラネックス社の「スマカメLTE」を使っていますが、いろいろと使いにくい点があります。一応パソコンのモニターでも映像を見ることができるのですが、1分ほどで接続が切れます。再接続する必要があります。モーションセンサーというのがあって、画面に動きがあるとショートメールで知らせてくれるのですが、動物以外のものにも反応して頻繁に通知がきます。SIMカメラの映像を見て気づいたのですが、夜間、「蛾」なのか、たくさんの虫が飛んでいるんですね。その虫に一々、反応して通知がきます。トレイルカメラは、赤外線(動物の体温)で反応するので夜間の飛ぶ虫(蛾?)が撮影されることはないのですが、モーションセンサーでは動きがあれば検知する方式なので、動物以外にも反応して通知がくるのは困りものです。
それとカメラ本体に録画機能があるのですが(内蔵のマイクロSDカードに保存)、この録画時間がたった10秒なんです。いろいろな録画時間の設定ができるのではなく10秒固定なのです。アホかと思います。

DTMFとソレノイド間の無線化

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